熊本県 天草ぶりと荒尾梨を使用
天草ぶりと荒尾梨のカルパッチョ スモーク仕立て

リストランテミヤモト:宮本けんしん MIYAMOTO KENSHIN

鰤と梨を燻して、味に深みを加える。

まず、鰤に塩を振って、臭みを消し、旨味を引き出します。 本来なら、鰤の身を1日か2日間、寝かせて水分を飛ばしますが、ここでは、捌いた直後の鰤を一度スモークした後、さらに薪で燻して、香りをつけることで、味に奥行きを出すようにしています。薪に使う木はカシやナラ、サクラなど4種類ほど使用しています。木の種類によっても旨味が変わるので、料理や食材の状態・種類によって使い分けるようにしています。例えば、和牛や赤牛でも普通の状態だとナラやカシの木を使いますがエイジングが強いもの、熟成肉の場合は、サクラの木を使います。今回の鰤と梨を燻すのに使用しているのは、サクラの木です。鰤もそうですが、梨も燻すことで、甘みだけではなく、香りと味の変化を感じてもらうように工夫しています。

シンプルに手間をかける。

カルパッチョに添えるソースは、荒尾梨をペーストして作りました。荒尾梨は水分が多いため、料理にするよりもそのまま食べた方が一番味が分かるし、美味しい。というのが前提にあるので、できるだけ梨の良さを壊さないようにシンプルにしています。荒尾梨は、甘くて水分が多く酸味も少ないのが特徴です。だから、調理する場合は、そのまま使うよりも少し濃厚な感じにした方がいいので、酸味を加えています。酸味があることで、食べる度にくどくなりません。また、同時に梨の甘さも立たせたいので、鰤の方は、塩気を加え胡椒を振って、一度スモークした後に、薪で燻しています。イメージとしては、生ハムとフルーツの組み合わせのような感じです。

その地域の食材を良い形で感じてもらいたいと思っています。
だから、できるだけいじらずに、そのままの状態で、美味しさを引き出すことが理想的です。

燻すことで、甘みだけではない、味の変化が楽しめる。

梨をペーストして燻して香りづけしたソースの上にハーブと花を添えて見た目も美しく。

世界的にも珍しい海域環境の天草で育つ鰤の美味しさを伝えたい。

天草の鰤を選んだ理由。それは、食材を発信する際に、外からの目線は、もちろん大切だけど、地元の人たちから見て「これなら、良い」と思う目線はとても大切で、地元の人たちから愛されているものをしっかりと伝えたい。と思ったからです。天草ぶりは、あまりイメージがないかもしれませんが、天草の海を象徴する一つだと思っています。天草は、おもしろい環境を持つ島で、北の魚の南限にあたります。天草よりも南に行くと、水温が上がり環境が変わります。天草の南側に位置する牛深まで行けば、東シナ海へと続き、サンゴ礁がある海域が存在します。東側に行けば、八代海のある内海に。天草市のある北の西側は、天草灘が広がり、東側になると有明海へと続く島原湾へと繋がっています。天草は、4つのタイプの違う海をまたいでいることになります。こういう場所は、世界的にも珍しい。鰤といえば、北陸のブランドイメージが大きいと思いますが、天草でも鰤は、意外にも多く獲れるし、養殖も盛んです。天草は、魚種は多く、たくさんの生態系が存在する島であるし、何より海の環境が良いので、養殖モノも美味しいです。

宮本シェフが使用した「天草ぶり」

天草は日本でも有数の潮の干満差が大きい海域です。速い潮流にもまれた「天草ぶり」は、身が引き締まり、ほどよく脂がのった、養殖の技法で育てられた鰤です。

地域団体商標登録団体 熊本県海水養殖漁業協同組合
公式ホームページ>http://marukuma.or.jp

宮本シェフが使用した「荒尾梨」

全国的には、荒尾ジャンボ梨というブランド名で知られているように、果実は大きく、ジューシーです。大きな果実と見た目からは想像できない繊細な味わいと糖度14%の強い甘みが特徴です。

地域団体商標登録団体 玉名農業協同組合
公式ホームページ>http://www.jatamana.or.jp
宮本シェフのインタビュー
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