CHEF’S Sensitivity

Restaurant Sola :
吉武広樹
YOSHITAKE HIROKI

2011年3月、パリの中心部5区に44席のレストランSolaを開店。 2012年3月、開店からわずか1年3ヶ月で「ミシュランガイドフランス2012」で一ツ星を獲得。帰国してからは、「故郷・伝統―革新」。 というテーマで各地でイベント等を行うなど精力的に活動する吉武シェフ。海外での経験も豊富な吉武シェフの感性で見る食材のあり方や想いを聞きました。

「ブランドに左右されない」
それは、料理する側から、
食材の価値を高めたいという想い。

2018年の12月から福岡の博多ベイサイドにて新店舗をオープンしました。お店の目指す方向としての考えは「ブランドをなくそう」です。食材として「有名、無名」「高価、安価」に関係なく、美味しいと思うものを使いたい。食材を流行、金額、ブランド感で見るような先入観をできるだけなくし、料理として自分が良いと思ったものを素直に届けたい。そうすることで、もっと安い食材でも料理で価値を上げることができます。料理から食材に対する意識が変えていけたらと感じています。

料理の知恵や技術で、もったいない食材の価値提示や
生産者が抱える課題を解決したい。

私のお店では、長崎県の五島、対馬、壱岐の離島からすぐに新鮮な魚を仕入れる環境にあります。離島から直接、たくさん魚を仕入れて、食材の無駄をなくし、価値を高める動きをつくりたいと考えています。例えば、獲れすぎて困っている魚、どうしても海に捨ててしまわないといけない魚など多く仕入れて、天日干しにして加工します。加工すれば、魚の金額に左右されずに、その食材の良さを分かってもらうことができると考えています。お店で魚や野菜などの食材加工の技術を高めていけば、無駄を出さす、よりよく食材を提供することができると考えています。それは、輸送費などのコストも含めてそうですが、運ぶためにエネルギーがかからない方がベストです。環境に優しい食材でも、そこにエネルギーを使いすぎると環境に良いとは言えなくなるので、できるだけ近場の食材でまかなえるような動きにしていきたいと考えています。

今回吉武シェフにお願いした創作料理の食材は、八女茶本玉露。料理と一緒に出すお茶の使い終えた葉(出がらし)を使用。使い終わったお茶の葉は捨てずに、料理として別の形で使用する。まさに、「価値のないものに、価値を見出す。」と考える吉武シェフのコンセプトに基づいたもの。「ただ、これは本玉露だからできることです。普通のお茶の出がらしでは料理としては難しいところはあります。」と吉武シェフ。

CHEF'S PROFILE

Restaurant Sola オーナーシェフ 吉武広樹

1980年8月、佐賀県生まれ。
「料理の鉄人」坂井宏行シェフに魅せられ、料理人を目指す。【ラ・ロシェル】にて3年間、【ル・ピラート】にて3年間、フレンチの基礎を学び、26歳のときに1年間で世界40か国近くを巡る放浪の旅へ。帰国後、渡仏し【アストランス】にて半年間修業し、2009年9月、シンガポールのデンプシーヒルに【HIROKI88@Infusion】を開店。2010年1月、シンガポールレストラン協会が開催するコンテストにて、部門最優秀賞「Best New Concept Award 2010」を獲得。 2011年3月、パリの中心部5区に44席のレストラン【Sola】を開店。 2012年3月、開店からわずか1年3ヶ月で「ミシュランガイド フランス2012」で一ツ星を獲得。 2014年11月、「RED U-35」第2回グランプリを受賞。テーマは、「故郷 伝統―革新」。 2017年より各地でイベント等を行うなど精力的に活動中。旅で研ぎ澄まされた五感から創り出される、枠にとらわれない料理の数々で多くの人々を魅了している。

公式ホームページ https://sola-factory.com

福岡県 八女茶本玉露を使用

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